2012年04月21日

製鉄原料槽で、内壁に付着した鉄鉱石が槽の中の作業員に崩落

” 2011年5月27日午後2時20分ごろ、住友金属の製鉄原料槽(高さ約13m)で、内壁に付着した鉄鉱石などの砂状の原料が、槽の中にいた男性作業員(29)の上に崩落した。
  警察によると、作業員は生埋めになり、助け出されたが意識不明の重体。

  警察によると、作業員は原料槽の上から命綱をつけ、内壁に付着した原料をそぎ落とす作業の準備をしていた。
  誤って槽の下に落としたスコップを取ろうとしていた時に、崩落が起きたという。”(2011年5月28日朝日新聞北九州版)



本件災害は、2012.3.5北九州東労働基準監督署によって書類送検がなされている。

” 北九州東労働基準監督署は5日、小倉南区徳力2のプラント保守会社「iモデスティ」と、保守工事の発注元の住友金属小倉製鉄所(小倉北区)の主任(39)▽元請け会社の作業長(56)−−らを労働安全衛生法違反の疑いで地検小倉支部に書類送検した。

  同労基署によると、容疑は昨年5月27日、小倉北区許斐町の同製鉄所で、原料槽の保守作業で安全措置を講じず、槽内に入ったiモデスティの現場責任者の男性(29)が崩れた原料鉱石に埋もれて窒息、約1カ月後に死亡させたとしている。死亡した責任者男性も同容疑で書類送検した。”(毎日新聞 2012年3月6日 地方版)


[発生状況と対策に係るコメント]

(発生状況)
1) 作業員は原料槽の上から命綱をつけ、内壁に付着した原料をそぎ落とす作業の準備をしていた。
2) 誤って槽の下に落としたスコップを取ろうとしていた時に、崩落が起きた
3) 作業員は生埋めになり、助け出されたが意識不明の重体。約1カ月後に死亡。

 新聞報道以上のことはわからないのであるが、2)の「誤って槽の下に落としたスコップを取ろうとしていた時」は、1)の命綱は外していた? 一人作業だったのか?などの点が特定が、対策の樹立に関係する。

 なお、「誤って槽の下に落としたスコップ」は、どのようにして確保するのが安全なのか、当該安全のための手順軽視があったのか、などの検討が必要だろう。



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茨城県の食品加工工場で調理中に、二層構造の蒸気釜が破裂「2人けが」

” 1日(2012.3.1)午前8時半ごろ、坂東市幸神平にある食品加工会社、「スギヨ」の関東工場で直径1m、高さ40cmの蒸気釜が調理中に突然破裂した。この事故で、調理をしていた47歳の従業員の男性が全身にやけどを負う大けがをしたほか、近くにいた従業員の男性も足に軽いけがをした。

 警察によると、この工場ではちくわやかまぼこを加工していて、1日午前7時ごろから従業員3人で蒸気釜を使って具材のタケノコを煮る作業をしていたという。

 蒸気釜は二層構造になっていて、層のすき間に蒸気を送って調理していたところ突然破裂し、釜の一部が吹き飛んだということで、警察で事故の原因を詳しく調べている。(情報源/2012年3月1日NHK http://www.nhk.or.jp/lnews/mito/1073399101.html )



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2012年03月21日

事前調査の不徹底による不適切な建築物解体事例

事前調査の不徹底による不適切な建築物解体事例


  石綿障害予防規則(平成17年厚生労働省令第21号。以下「石綿則」という。)第3条では、事業者は、建築物、工作物又は船舶の解体、破砕等の作業(改修の作業を含む)を行うときは、あらかじめ、石綿及び石綿を0.1%を超えて含有するもの(以下「石綿等」という。)の使用の有無を目視、設計図書等により調査し、その結果を記録しておくこと、及び当該調査結果の概要等を掲示することを定めている。

  しかしながら、事前調査を行わなかったり一部分のみを調査して網羅的な調査を怠ったりしたために、必要な届出を行わずに解体が行われた事例が発生している。【下記2件の災害事例参照。事例は厚生労働省化学物質対策課にて把握されたものである。】



事例1

1 発生日時 平成23年11月

2 作業の種類 石綿含有保温材が使われた建築物の改修工事

3 災害発生状況

  石綿含有の認識がないまま保温材の除去作業を実施。同じ時期に同じ施工者により建てられた同型の建物からは、作業を行った箇所と同一の箇所(部材)に石綿が使われていることが判明した。

4 原因

  不十分な事前調査の結果に基づいて工事を行ったこと

5 対策

 1) 事前調査を適切に実施し、結果を記録すること。
 2) 発注者は、石綿等の使用状況等を適切に伝達すること。



事例2

1 発生日時 平成24年1月

2 作業の種類 吹付け石綿が使われた建築物の解体工事

3 災害発生状況

  3階建ての建物の解体工事で、1階部分の吹付け材を分析したのみで建物全体に石綿無しと判断したが、廃材から石綿が見つかり、他の階では石綿が使われていたことがわかった。

4 原因

  不十分な試料採取に基づく分析。

5 対策

 1) 設計図書や改修記録から、同一施工の範囲をあらかじめ確認すること。
 2) 必要な数の試料採取を行うこと。



再発防止対策



1 事前調査と結果の記録、掲示の徹底

1)  事前調査は、的確かつ網羅的に行うことができるよう、一定の知識及び技能を有した者が行うことが望ましいこと。また、必要な調査箇所の見落としを防止する観点から、写真や図面により調査した箇所を調査結果に記録することが望ましいこと。また、調査終了年月日、調査方法及び結果の概要については、作業場に掲示する必要があること。(別紙2=省略)

2)  目視及び設計図書等による調査により、石綿等の使用がないことが明らかになった場合でも、その旨に加え調査方法や調査場所等を記録し、かつ掲示するよう徹底すること。

3)  内壁、天井、床、屋根、煙突等に使用されている成形板その他の建材等について、石綿の使用の有無を確認するには、国土交通省・経済産業省の石綿含有建材データベースhttp://www.asbestos-database.jp/、 社団法人日本石綿協会、建材メーカーのホームページを活用する方法があること。


2 分析による調査

1)  建材等が吹き付けられている場合には、石綿則第3条第2項に基づき、石綿等の使用がないことが明らかである場合を除き、分析による調査を行うこと。

2)  石綿等の使用の有無の分析による調査に当たって、試料の採取が不適切であると、含有する石綿が適正に計測されないおそれがある。特に、建築物等に後年の補修又は増改築がなされている場合や、吹付けの色が一部異なるなど複数回の吹付けが疑われる場合には、吹き付けされた場所、時期ごとに試料を採取してそれぞれ石綿の有無を判断するよう留意すること。ただし、複数の区画又は階にわたり吹付けがなされた建築物等であっても、設計図書等により同一かつ均一の施工であることが確認された場合にあっては、各区画又は階における試料の採取は必要ないこと。
3)  建材等の採取及び分析に当たっては、必要に応じて、次のア、イ又はウを参照すること。

 ア 「石綿含有建材の石綿含有率測定に係る講習会テキスト」(厚生労働省)
     http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/sekimen/mortar/index.html

 イ 「建築物の解体等に係る石綿飛散防止対策マニュアル」(環境省)
     http://www.env.go.jp/air/asbestos/litter_ctrl/manual_td/index.html

 ウ 「新版 建築物等の解体等工事における石綿粉じんへのばく露防止マニュアル」(建設業労働災害防止協会)

4)  石綿等の使用の有無の分析を分析機関等に行わせる場合には、社団法人日本作業環境測定協会が行う石綿分析技術の評価事業において、Aランク又はBランク認定分析技術者の資格を有する者に分析を行わせることが望ましいこと。(ホームページhttp://www.jawe.or.jp/jigyou/seido-s/ishiwata/#agencyに掲載。)


3 呼吸用保護具の使用

1)  建築物等の解体等の作業においては、作業に伴って粉じんが発生するおそれがあることから、事前調査の結果として石綿等の使用がないことが確認された場合であっても、防じんマスク等の呼吸用保護具を使用すること。

2)  石綿則第14条に基づき隔離等を行った作業場所において、吹き付けられた石綿等を除去する作業に労働者を従事させるときは、電動ファン付き呼吸用保護具、送気マスク等を使用させなければならないこと。


(以上の再発防止対策は、平成24年2月13日基安化発0213第1号労働基準局安全衛生部化学物質対策課長から都道府県労働局労働基準部長あて「建築物等の解体等の作業における事前調査の徹底等について」に基づくもの。)



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