2015年07月27日

酸欠、硫化水素中毒の事例(5件、平成26年)

[酸欠、硫化水素中毒]
 厚労省が平成27.7.8公表した平成26年の酸素欠乏症、硫化水素事故は計5件(酸欠1件、硫化水素4件)であり、同時に公表された5件の災害事例は、以下のとおりです。



平成26 年に発生した酸素欠乏症の事例

製造業 平成26年9月(休業1人
 溶接作業の手順等の教育のため、試験架台内部にアルゴンガスを送給し、溶接試験が行われていた。その後、誤ってアルゴンガスの送給が続けられていたところに、被災者が溶接機の調整のため試験架台内部に入り、酸素欠乏した空気を吸引し、被災したもの。


平成26 年に発生した硫化水素中毒の事例

建設業 平成26年1月(死亡1人、休業1人
 汚水圧送管の空気抜き弁を交換するため、マンホールピット内に3名が入り、空気抜き弁を取り外したところ、当該圧送管から漏れ出した硫化水素を吸引して2名が被災し、そのうちの1名が死亡したもの。

製造業 平成26年6月(休業1人
 倉庫内でパルプ化の工程で取り除かれた木の節を屋外に掻き出す作業で、木の節の層を崩したところ、層の内部に溜まっていた硫化水素を吸引し、被災したもの。

製造業 平成26年7月(休業2人
 製造工程で排出される糊を含む排水を処理する装置の地下槽内で、堆積した汚濁物質を取り除く作業を行っていたところ、地下槽内で発生した硫化水素を吸引し、作業を行っていた1名、救出に向かった1名が被災したもの。

建設業 平成26年9月(死亡1人
 雨水枡内で雨水枡の底に溜まった土砂を除去する作業を行っていたところ、雨水枡で発生した硫化水素を吸引し、死亡したもの。



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2015年04月29日

思い込みで閉鎖前の線路に工事用運搬機を進入させ、後続列車が衝突脱線した事故

京浜東北線列車脱線事故(平成26年2月23日発生)鉄道事故調査報告書
事故の概要
1.事業者名:東日本旅客鉄道株式会社
2.事故種類:列車脱線事故
3.発生日時:平成26年2月23日(日) 1時11分ごろ(天気:晴れ)
4.発生場所:東海道線(京浜東北線) 川崎駅構内
5.列車:桜木町駅発蒲田駅行き 回第2402A列車10両編成
6.死傷者:乗務員軽傷2名(運転士及び便乗車掌)

7.事故の概要

 列車の運転士は、通過駅である川崎駅に進入し、速度約65km/hで惰行運転中、前方の線路上に工事用軌陸型運搬機を認めたため、直ちに気笛吹鳴と同時に非常ブレーキを使用したが間に合わず、列車は同運搬機と衝突した。
 列車は、1両目が左側に横転した状態で、2両目が左側に傾いた状態で全軸脱線していた。
 列車には、乗務員2名が乗務しており、両名が負傷した。なお、列車は回送列車であったことから、旅客は乗車していなかった。
26.2.23川崎駅脱線事故.JPG
(↑ 列車が前方工事用軌陸車に衝突し脱線した)(事故調査委員会報告書掲載写真より)

工事の概要
 A社及びB社の共同企業体’が、事故当夜、同社から請け負った東海道線及び京浜東北線のホーム改良工事等を川崎駅構内で行っていた。作業内容は、線路閉鎖工事として、土木工事と建築工事を72名の作業体制で、軌陸車10台(本件軌陸車を含む)を東海道線(上下)、京浜東北線(北行、南行)に載線させて作業を行うことになっていた。

原因
 本事故は、線路閉鎖前の京浜東北線(北行)の線路内に工事用軌陸型運搬機が進入したことについては、工事用通路において工事用重機械等の誘導を担当していた重機械安全指揮者が同運搬機の誘導を行っていない状況で、同運搬機の運転者が、同安全指揮者から途中の地点までの移動の指示を受けた際に、京浜東北線(北行)の線路内まで移動できると思い込み、同運搬機を進入させたことによるものと考えられる。

再発防止策
 指揮命令系統を明確化し、指示やそれに対する作業実施が適切に励行されているかを再確認。作業現場における危険の認識、安全行動を身に付けさせることも必要。諸規程類の見直し、確実な作業に繋がるような教育訓練の実施が必要である。
 また、特に、線路閉鎖前の線路に工事従事者等を進入させないための確実な方法や万一立ち入った際の事故回避措置について検討して、その方法を定め、実施することが望ましい。


 [編注、コメント]

 事故調査委員会報告書の再発防止対策末尾に言及されている「線路閉鎖前の線路に工事従事者等を進入させないための確実な方法や万一立ち入った際の事故回避措置について検討」こそ重要になるが、報告書が対策の具体的な方法に言及していないということは、かなり、困難を伴う対策ということかも知れないのだが、、、果たして?
 
 本件事故の事故調査報告書・説明資料は以下のURLから参照できる。
 http://www.mlit.go.jp/jtsb/railway/p-pdf/RA2015-2-2-p.pdf


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posted by labor at 18:14| Comment(0) | 個別災害事例

2014年03月27日

医療事故/ヒヤリ・ハット報告事例検索ページ


 医療事故情報を収集する「日本医療機能評価機構のホームページ」で、情報提供がされています。



 なお、以下○印は、2014.3.26付け日本経済新聞朝刊記事から抜粋です。

○ 医療事故情報を収集する日本医療機能評価機構は、26日(発表した)
○ 2013年に全国の医療機関から報告があった医療事故が3049件(前年比167件増)と初めて3千件を超え、過去最多を更新した。
○ このほか、医療事故につながりかねない「ヒヤリ・ハット」事例の発生は約60万9千件で、前年より約8万件減った。

 上記記事との関連で、「日本医療機能評価機構」のホームページを拝読しました。
 http://jcqhc.or.jp/
 同ホームページには、医療事故/ヒヤリ・ハット報告事例検索ページがあり、医療事故11,433件、ヒヤリハット事故27,946件(合計39,379件)
(平成26.3.27現在)のデーターベース情報が提供されていました。


日本医療機能評価機構.JPG
(クリックすると拡大表示されます)

 [編注、コメント]

 ヒヤリハット事例の収集が軌道に載りつつあると感じました。よい取組です。



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posted by labor at 19:12| Comment(0) | テーマ別事例集

災害事例