2012年02月15日

河川・海底トンネル工事等に伴う異常出水、陥没、トンネル・たて坑の水没災害の事例

【事故例1】

 河川横断の泥水式シールド工事において、テールシール部より異常出水しトンネルと河川が通じ、トンネルが水没した。(昭和48年5月、死亡0)

【事故例2】

 電信用泥水式シールド工事において、キーセグメントが脱落し、大陥没を起こし道路の陥没、道路施設の損傷、地下埋設物の損傷等の被害を生じた。(昭和63年6月、死亡0)

【事故例3】 

 導水路泥水式シールド工事において、キーセグメントが脱落し、約35メートル上部の河川とトンネルが通じ、トンネル及びたて坑が水没し、同じたて坑を使用していた他工区のトンネルも水没した。(平成元年11月、死亡0)





[原因及び対策]

 河川・海底トンネル工事等に伴う異常出水、陥没、トンネル・たて坑の水没災害の事例を3例紹介した。

 この事例は、建設業労働災害防止協会編「ずい道等救護技術管理者研修テキスト」から抜粋、転載させて頂いたものである。

 この種の特殊災害については、原因及び対策の検討にあたっても、同テキストの該当箇所を引用して紹介するのが最も適していると思われるので、以下、関係個所を抜粋転記の形で紹介させていただきます。(労務安全情報センター)



第1章 ずい道等及び圧気工事の危険性

2 シールドトンネル

 近年のトンネル工事は、切羽部分が密閉型のシールド工事(泥水式シールド、土圧式シールド等)が主要なものとなっている。

[異常出水、陥没]

(1) 異常出水

 近年、密閉型シールド工事は、大深度化と同時に特殊条件下(地下河川工事、海底トンネル工事、大断面道路工事等)で施工される場合が多くなっている。
 これらの工事ではシールド機械、セグメント、たて坑エントランス部等については、十分に止水対策を立てて、設計、製作、施工されているが、特にシールド機械とセグメントが接するテールシール部(図1-19)、スクリユウコンベアーの出口部(図1-18)、シールド発進時のたて坑エントランス部(図1-21)については、この部分より出水が予想されるので事前に十分検討する必要がある。


(2) 陥没

 シールド工事は、一般的に道路下、もしくは民家の地下等で施工されるので、陥没事故が生ずれば、道路の陥没、道路施設の損傷、地下埋設物の損傷及び民家の損傷等と社会的に及ぼす影響は非常に大きい。

 密閉型シールド工事は、地山(切羽)と坑内がシールド機械のチャンバー(隔壁)で隔てられ安全であるが、施工中の管理ミス等により上記重大な事故につながる場合もある。

 発生原因としては、切羽土圧と管理土圧若しくは管理泥水圧の不均衡による、土砂の取り込み過ぎや、前項で述べた以上出水による土砂の流入、キーセグメント等の脱落(図1-20)による地下水、土砂等の流入によるものである。


 ≪クリックすると拡大表示されます≫
異常出水.JPG



≪参考≫(圧気工法による場合)

2 圧気シールド

 現在わが国の建設工事に利用されている圧気工法には、圧気潜函工法、圧気トンネル工法等がある。

 圧気トンネルの危険性

(1) 噴発

 噴発とは、圧気が激しく一時に地上に大量に噴出する現象をいう。噴発が起きると、急激な圧力低下や切羽の崩壊、地下水や土砂の流入を伴うことがある。これらの漏気、噴発を防ぐためには事前の調査にもとづく慎重な施工計画の検討が大事であり、調査地点もできるだけ多くすることが必要である。

(2) 崩壊、出水

 漏気、噴発を伴わない崩壊、出水をおこすおそれがある。その原因として次のことがあげられる。

 (イ)切羽が自立可能な時間をこえて停止せざるを得なかったとき。
 (ロ)停電、送気設備系統の故障等により送気が停止し断気したとき
 (ハ)地層中の空洞にたまった水が突然出水したとき

 したがって平常から切羽の土止めの方法を検討しておく必要があり、適切な補助工法の採用も考慮する必要がある。


※ 資料出所/ずい道等救護技術管理者研修テキスト(建設業労働災害防止協会編集)22P〜23P及び47P



労務安全情報センター
http://labor.tank.jp
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