2012年07月10日

水深57M、音響給餌ブイの撤去中の潜水士3人が、空気タンクの残量ゼロで死亡

 以下はNHK,朝日、毎日、産経など、マスコミ報道から”

 [災害発生状況]

1) 2012.3.17午前9時50分ごろ、大分県津久見市の保戸島沖で海に潜ってブイ撤去工事の作業をしていた潜水士3人が意識不明になり、その後、全員の死亡が確認された。
  3人の空気ボンベ(12〜14ℓ)の残量はいずれもゼロで、海保が原因を調べている。

2) 亡くなったのは、Sさん(45)、YOさん(31)、YUさん(37)の三人。
  18日に司法解剖した結果、YOさんは急性窒息死、他の2人は肺に水が入っていて水死だった。 タンクの空気がなくなり、口からマスクを外した可能性がある。

3) 現場一帯は、音でおびき寄せた魚を餌付けして育てる「海洋牧場」で、大分県がブイなどを管理している。3人は老朽化した音響給餌ブイの撤去作業の最中だった。

  海保によると、作業船で現場に着いた3人は17日午前9時30分ごろ、ブイとチェーンで結ばれているコンクリートブロック(75トン)を撤去するため、空気ボンベを背負って海に入った。
  水深57mの海底付近に下り、SさんとYUさんはクレーンから下ろしたワイヤとブロックをつなぐ作業にあたり、YOさんは有線電話で海上との連絡係を担ったという。

4) 9時47分ごろ、YOさんから作業船に「1個目の(金具)取り付け完了」「ワイヤを沈めて」と連絡があり、この時点で作業は順調だった。だが数秒後に作業ストップの指示があり、約3分後にSさん、その5分後にはYUさんが浮上。ともにあおむけで意識がなかった。YOさんは約1時間後、海中に沈んでいるのが見つかった。


 [その他の状況]

○ 水深5〜6m地点には、急浮上した際に起こる減圧障害を防止するための空気タンクが3人分用意してあったが、使われた形跡はなかった。

○ 工事を発注した大分県などによると、空気の残量が少なくなった場合は、作業を中断し別の潜水士と交代することになっており、死亡した3人を含めて潜水士は計10人確保していたという。
  潜水士のとりまとめ役だった男性(61)は取材に対し、「ボンベは各自が準備し、全部で25本あった。残りが4分の1になったら浮上するよう指示していた」と話した。


 [工事を行っていた業者の責任者-会見での説明]

○ 海中での作業について現場で具体的な指示を出していた潜水士のIさんが「およそ60mの深さで作業が出来るのは20分がぎりぎりくらいだ」と述べ、「ボンベの空気圧が一定にまで減れば作業を中断して浮上することを決めて3人に指示を出した」と述べ、作業手順や安全管理に問題はなかったという認識を示した。

○ また、死亡した3人のボンベは空になっていたが、ボンベはいずれも潜水士が準備し,潜る前に十分な空気が入っていたことを確認していたということで、Iさんは事故の原因については「全くわからない」と答えた。”


[以下は、毎日新聞 3月17日20時55分配信記事から抜粋]
”  空気タンクでの潜水は水深30〜40メートルが限度とされる。大分海保は3人が急浮上して減圧障害を起こしたか、事前に定められた潜水時間や残量に応じた浮上時間の指示が徹底されていなかった可能性もあるとみて調べる。”


[以下は、2012年04月16日朝日新聞大分版の記事から抜粋]
” 過酷な現場に臨む装備は十分だったのか。3人の空気ボンベ容量は各12〜14リットルで、ほぼ満タンの180気圧を入れて現場へ。だが、水深60メートルは6〜7気圧で、空気の消費量は水面の6〜7倍。「少し吸っただけで、あっという間に減る。ボンベ1本なら、海底に行っても、すぐ戻らないといけない。

  海保は、3人が身に着けたボンベやレギュレーターを分析しているが、今のところ、空気漏れなどの不具合は見つかっていない。水深や体内窒素量の記録が残るダイビングコンピューターの解析も民間調査会社に依頼。深海作業に時間がかかり過ぎていなかったかなどを調べ、3人のボンベの空気残量がゼロだった理由を突き止めたい考えだ。”



[編注、コメント]

改めてマスコミ報道を整理してみたが、事故原因不明。
その後、現地での捜査や事実解明も難航しているようだ。

気になる点といえば、
(1) 作業船で現場に着いた3人は17日午前9時30分ごろ、ブイとチェーンで結ばれているコンクリートブロック(75トン)を撤去するため、空気ボンベを背負って海に入った。
(2) 9時47分ごろ、YOさんから作業船に「1個目の(金具)取り付け完了」「ワイヤを沈めて」と連絡があり、この時点で作業は順調だった。だが数秒後に・・・、。

作業の時間経過と工事を行っていた業者の責任者-会見でのつぎの説明はどうなのか

「およそ60mの深さで作業が出来るのは20分がぎりぎりくらいだ」

9時30分〜9時47分 !!!!
単純に考えて、ギリギリだという「20分」が近づいているが、事故原因と関係ないのだろうか?



労務安全情報センター
http://labor.tank.jp
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posted by labor at 23:29| Comment(0) | 個別災害事例

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